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特集 間脳・下垂体の腫瘍(第24回日本脳神経外科学会シンポジウム)
下垂体腺腫ならびにクラニオファリンジオーマにおける内分泌機能,手術前後の比較検討
Hormonal Functions in Pituitary Chromophobe Adenoma and Craniopharyngioma. A Comparative Study on Pre-and Postoperative States
北村 勝俊
1
1九州大学医学部第1外科
pp.596-602
発行日 1966年6月1日
Published Date 1966/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202060
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I.緒言
下垂体腺種ならびにクラニオファリンジオーマにおける内分泌機能の動態を知るため,われわれが1959年以降,九大第1外科で経験した下垂体嫌色素性腺腫46例,クラニオファリンジオーマ19例について,通信,再診および数例については九大第2内科に再入院のうえ系統的な内分泌機能検査を行ない,主として手術施行前後における内分泌機能の変動を中心に調査を行なつた。全例組織学的に確認した症例である。好色素性腺腫は症例が少ないので本調査成績から除外した。悪性下垂体腺腫3例は,とくに内分泌機能のうえで嫌色素性腺腫との間に格別な差異を認めなかつたので,嫌色素性腺腫に編入した。クラニォファリジオーマの少数例には脳室経由法や,側頭開頭あるいは定位手術による穿刺があるが,ほとんどの症例に前頭硬膜内経由法による被膜内掻爬または吸引を行なつており,全摘例はない。嫌色素性腺腫では,全例に術後X線またはコバルト照射を行なったが,後述の術直後の成績は照射前のものである。対象とした症例の性別,年齢別分布は第1,2表のとおりで,このうちの生存例は嫌色素性腺腫(以下腺腫と略称)44例,クラニオファリンジオーマ14例で,さらになんらかの形で術後の状態を比較検討しえたものはそれぞれ36例,11例である。
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