特集 脳動脈瘤および脳動静脈瘤(第24回日本脳神経外科学会シンポジウム)
脳動脈瘤・脳動静脈瘤のわれわれの経験
岩田 金治郎
1
,
佐藤 修
1
,
渡部 三郎
1
,
中村 鋼二
1
1名古屋大学医学部橋本外科
pp.502-507
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202045
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I.緒論
頭蓋内動脈瘤や動静脈奇形,その他の頭蓋や血管異常の治療針が,ことに手術の原則の固定化したのはそれほど古くはないように思われる。
名古屋大学第1外科教室での脳外科の歴史は古いが,主として脳腫瘍手術であり,頭蓋内動脈瘤の症例は散発性であつた。したがつて,このシンポジウムではわれわれの治療方針のだいたい標準化された,過去5ヵ年のこれらの疾患についての臨床経験について述べることにする。それでもなお,以前,脳動静脈吻合症intracranial arteriovenous anastomosisとして一括していた症例の中に,現在その脳血管写を再検討してみて,ウイリウス氏脳底動脈輪辺りの血管異常症として再分類しなければならなかつた症例もあり,これを単なる脳動静脈瘻と区別して考えれば,その統計も変つてくることになる。
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