学会レポート 第24回日本脳・神経外科学会
シンポジウム—B・D・E・I—抄録・討論・総括
シンポジウムD「先天奇形」
光野 孝雄
1
1神戸大第1外科
pp.265-267
発行日 1966年3月1日
Published Date 1966/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202010
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【D−1】 Dysraphic statesに基づく奇形の外科
(新大脳研脳神経外科)深井 博志
中枢神経系の奇形もしくは奇形性疾患の中で最も大きな役割を果しているのはdysraphic statesである。 dy—sraphic statesの発生病理には脳脊髄の原基である神経管の閉鎖障害とするdysraphic theoryと,神経管のover—distension,すなわちhydrocephalornyelic stateを主因とするhydrodynamic theoryとがある。このdysraphic sta—tesには色々な病態が含まれているが,異常発生の局在の宿命と奇形という点で治療対象となるものは少ない。
I)頭蓋・脊惟破裂:外科手術の立場から嚢腫性のものをmeningoceleとencephalocele or myeloceleに大別して,臨床的問題を論じた。治療法とし頭蓋破裂は生後早期に切除縫縮する。骨欠損は終生永続するが,大部分は骨形成術の必要はない。その予後は脊椎破裂よりはるかに良し。
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