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特集 第24回日本脳・神経外科学会・I
シンポジウム:脳腫瘍の病理・生化学・5
脳腫瘍の脂質構成
The Lipid and Fatty Acid Compositions of Brain Tumor
立沢 寧
1
1慶応大学医学部相沢内科
pp.234-242
発行日 1966年3月1日
Published Date 1966/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202005
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I.はじめに
神経組織は,他の組織にくらべて,脂質が非常に多く,乾燥重量の50%以上を占めるといわれ4),さらに,他の組織に含まれるCholesterol ester,Lysolecithin,Tri—glycerideを含まず,また,糖脂質を多く含むことなど,特異な面を持つている。したがつて,そこに発生する腫瘍の脂質構成を,正常脳と比較することは,脂質代謝の手掛りをつかむためにも,さらに将来,この方面での抗腫瘍剤の適応の可能性を推測する上にも興味がある。
一方,脂質は,おのおのAcyl基を持ち,これは非ケン化部分より,そのturn overが早いといわれ7),脂質の研究にAcyl基を構成する脂酸の検索が必要となつてきた。
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