Japanese
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特集 てんかん
Discussion
てんかん小発作棘—徐波結合の終夜記録時におけるポリグラフ的解析
POLYGRAPHIC ANALYSIS OF SPIKE-WAVE COMPLEX OF PETIT MAL EPILEPSY IN AII-NIGHT SLEEP RECORD
田椽 修治
1
,
徳田 良仁
1
,
風祭 元
1
,
菊池 貞雄
1
,
藤森 正大
1
Shuji Taen
1
,
Yoshihito Tokuda
1
,
Hajime Kazamatsuri
1
,
Sadao Kikuchi
1
,
Masahiro Fujimori
1
1東京大学医学部精神医学教室
1Neuropsychiatric Department, Tokyo University School of Medicine
pp.299-305
発行日 1962年4月1日
Published Date 1962/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201232
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てんかんの発作波の発生や波及が,大脳の種々な生理学的要因によつて影響を受けること,また睡眠現象がその発作波誘発について重要な要因であることはすでに周知の事柄である。このことはある種の発作が自然睡眠中に起こりやすいことや,barbiturateなどによる誘発睡眠の際,種々な発作波が誘発されることによつても明らかである。しかし現在までのところ自然睡眠の経過中に,種々なてんかん発作波がいかなる変化の様相を示すかを詳細にしかも終夜にわたり連続記録した研究所見は,従来ほとんど報告されていない。そこでわれわれはまずてんかん発作波のうちでも,中心脳性(centrencephalic)と考えられており,左右対称性に広く大脳皮質に波及する典型的な棘—徐々結合(spike and wave complex)を示す小発作群を目標として,これらが終夜睡眠の種々な深度においていかに変化するかを分析してみることは興味ある問題と思われた。
症例の撰択基準として,まずその脳波所見は,安静覚醒時においては周波数に多少の変動があつても,ぼぼ定型的な3c/sの棘—徐波結合を示し,臨床的にも明瞭な小発作を呈するものを主とした。純粋な欠神発作のみを示すもの9例,小発作自動症を伴なうもの3例,大発作を伴なうもの1例および治療によつて小発作の消失したもの1例,計14例の症例を検討した。
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