Japanese
English
文献抄録
大腿外側移皮膚神経の節状拡大/Mononeuropathy
Ganglioform enlargement of the lateral cutaneous nerve of the thigh
Nathan, H.
pp.720,738
発行日 1961年9月1日
Published Date 1961/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201118
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正中神経,前脛骨神経その他でも節状肥大(Pseudoganglion)が知られているが,本報は文献に記載のない大腿外側皮膚神経の同様肥大を取扱つた。Hebrew大学解剖学教室の報告。屍体から同神経を60例きれいに剥離してしらべ,10例(17%)西洋梨状肥大,26例(43%)西洋梨状でない進行性の拡大,残る24例(40%)は不変という結果を得た。臨床でmeralgia parestheticoという病気があつて,大腿外側皮膚の知覚異常・疼痛・無知覚,ときには脱毛が一側ないし両側にあらわれ,起立ないし歩行で増悪することが知られている。その原因は明らかではない。しかしidiopathicともいうべき全く原因の不明なもののほかに神経刺激が原因と思われる症候性のメラルギーもある。メラルギーは発生局所に従つて,intravertebral,abdominal,peripheralなどと区分される。intravertebralというのは脊髄・神経根・腰部神経叢などの刺激症状,abdominalというのは手術・炎症・妊娠・腹水などで,腹部皮下神経走行が刺激される症状であろう。peripheralは鼠状靱帯から末梢の神経が刺激されるので,神経走行が鋭角で曲るところの摩擦などによることが知られている。結合繊増殖,神経周囲炎,神経炎,神経の退行変性,endoneuriumから生ずる硝子様体析出などがそこに生ずるのである。
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