Japanese
English
原著
いわゆるAcropustulosis of Infancy—疥癬罹患乳幼児に生じた4症例
Four Cases of So-called Acropustulosis of Infancy in Infants with Scabies
笹岡 和夫
1
,
赤星 吉徳
2
,
鳥山 史
2
Kazuo SASAOKA
1
,
Yoshinori AKABOSHI
2
,
Fumi TORIYAMA
2
1長崎市立市民病院皮膚科
2長崎大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nagasaki City Hospital
2Department of Dermatology, Nagasaki University School of Medicine
pp.161-166
発行日 1983年2月1日
Published Date 1983/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202792
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乳幼児の四肢末端,主として掌蹠に,丘疹,小水疱および無菌性膿疱が再三出現して難治である,いわゆるacropustulosis of infancyなる疾患に該当する4症例を報告した.自験4症例(3例は1歳未満の乳児)とも,家族ごと疥癬に罹患し,治療により患児の疥癬が一応治癒した後,本症が発症したが,この時点で疥癬虫は検出されず,膿疱は無菌性であった.本症と鑑別を要する疾患として,乳幼児に生じた掌蹠膿疱症があげられる.
本症は疥癬罹患とは無関係に生ずる例もあり,また単なる疥癬感染症でないことは明らかであるが,真の病因および独立疾患か否かについては,まだ不明である.しかし,疥癬感染が先行している症例では,多分,乳幼児の皮膚という生理的特異性を基に,済癬虫,虫卵,虫毒素などに対する遅延型アレルギー機序が関与して生じた皮疹ではないかと推察された.
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