書評
—Decker 著—Klinische Neuroradiologie
椿 忠雄
1
1東京大学
pp.1045
発行日 1960年12月1日
Published Date 1960/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201015
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本書は1960年K.Deckerにより編集されたものであるが,分担執筆者には当のDecker始めH.Fi-schgold, V.H.Mark, D.L.Mc-Rae, J.Metzger, H.Schank, J.M.Taveras, O.Wiedenmannなど現代一流の神経放射線医学者が顔を揃えている。この領域は最近脳神経外科の発展と共に急激にその重要性を増して来たが,これに関する完全な,又理解し易い書に不足していた。本書の内容と豊富な写真は一応この要請に応え得るものであると信ぜられる。本書は,①頭蓋の特殊レントゲン検査の手引き②造影剤による検査の技術と価値③脊椎管の造影剤による検査④頭蓋及び脳損傷⑤脳血管性障害⑥けいれん性疾患⑦脳腫瘍と近接疾患⑧神経精神疾患⑨小児における神経放射線医学的検査⑩眼科及び耳鼻科における神経放射線医学的検査⑪定位的手術における放射線医学的問題⑫椎間板変性⑬神経障害の原因となる脊椎の形成異常,疾患及び損傷⑭脊髄腫瘍に分類されている。この中で一番力を入れられている項目は脳腫瘍であることは当然であるが,この外,レントゲン検査で必要な項目はすべてcoverされており,従来取り上げていない様な項目及び分類を用いているのは本書の特色である。
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