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あとがき
A
pp.191
発行日 1960年2月1日
Published Date 1960/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200897
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さきに厚生省が発表した昨年1月から9月までの人口動態調査によれば,脳卒中や心臓病,ガンといつた成人病による死因が半数以上を占め先進国型となつたそうだ。また交通事故等による事故死も急増し結核を抜いて死因の第6位にのし上つている。自動車事故による死亡数は7,581で前年同期にくらべて1,500人もふえており,この状態で進むと年間事故は1万1千人を超え前年より25%もふえることになる。いずれにしろかかる現状は先進国型とはいえあまり歓迎されることではない。
さて懸案になつていた第1回の神経病理懇話会がいよいよ2月6, 7日の両日,神田一橋学士会館で開催される。シンポジウム「錐体外路疾患」は仲々興味深かそうである。これ迄のように自分だけの殻に閉じこもらず,神経病理学の分野における研究が絶えず進歩している今日世界的視野の下に従来の殻を破つて広く共通の討論の場が出来たことは神経病理学の発展の上に有意義なことである。これ迄の学会の陳腐なゆき方を破る目新しい方向を打ち出して戴きたいものである。
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