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あとがき
A
pp.665
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200959
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"頭痛"の特集号をお届けする。このシンポジウムは第18回日本脳神経外科学会での講演を収録したものである。眼科方面の項が演者の不慮の事故のため取止めになつたことは大変残念であるが,一応"頭痛"の研究の現状はこれによつて把握して戴けるものと思う。本号が頭痛の解明に日頃頭を痛めていられる方方に少しでも役に立てば幸いである。
うつとうしい梅雨の季節ともなりまた時局のそうそうしさも中に織込んで,近頃は誠に頭の痛いことばかりである。梅雨明けと共にかかるじめじめとした空気は一掃したいものである。が一方日頃象牙の塔に立籠り勝ちな先生方も最近はこのためか,何々研究会と名のつく会合に出席され,それぞれの立場から本当の"声なき声"を発表される傾向にあることは不幸中の幸事ではある。しかし国民すべてがそれぞれの持場に帰り全力を挙げて働けるような状態に一日も早く戻すことが国政を司るものの責務である。曲がりなりにも民主々義も戦後やつと15年,ようやくその緒について来た矢先にかかる不詳事が起きたことは誠に遺憾なことではあるが,"雨降つて地固まる"の諺通りになつて呉れれば幸いである。時節所感を述べてあとがき一に代えさせて戴く。
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