Japanese
English
研究
脳波による局在決定の研究
Studies of the Localization of Intracranial Lesions by EEG
楊 烐林
1
Chou-Lin Yang
1
1東京大学医学部清水外科教室
11st Surgical Department, Tokyo University, School of Medicine
pp.787-815
発行日 1957年12月1日
Published Date 1957/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200627
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緒論
1929年,Hans Berger77)最初に人間の脳波を記録し,これをE.D.Adrian (1934年)78)が追試,確認して以来,人間の脳波に関する研究は急速に発展した。現在までに多くの生理学,神経学,精神医学,脳神経外科学等,各分野の専門家たちにより,みるべき多数の業績が残されて来た。しかし,臨床家にとつて日常最も重要でありかつ興味深い対象となるものは脳波による疾病の診断であろう。なかんずく,脳波を脳の器質的病変の局在診断に用いようとする努力は各方面の学者たちにより続けられて来ている。
1936年,Grey Walter8)は脳波を脳腫傷の局在診断に応用した。彼は位相の逆転の原理と腫瘍の周辺より発生するδ波とで腫瘍の局在をかなり正確に決定することに成功した。また徐波は腫瘍そのものより出るのではなく,腫瘍により損傷された皮質から見られるとした。また彼はそれのみが徐波を発生するという様な特別な病変はないと述べている。
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