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あとがき
H
pp.567
発行日 1956年5月20日
Published Date 1956/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200503
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脳・神経に関する領域は,最近瞠目に値する進展を見せているようである。そのことは裏がえして言えば,日本における研究の水準が欧米に比しておくれており,今そのおくれを大幅にとりもどしつゝあるということになるかもしれない。だが,とにかく,日本の研究はこの領域において注目すべき発展をさせていると思う。
学問だけは国境がない。とくにNaterwissnschaftにおいては然りである。その観点からするならば,日本語のように特殊な国語を持つ日本の研究者は,研究においても,また研究業績の発表においても,大きなハンデイキヤツプを持つているといえるだろう。オランダのエルゼビアという出版社は,つとに自国語を捨てて英語の出版だけをしている。このことは日本においても反省されてよいことではあるまいか。
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