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欧洲そぞろ歩き—腦と神経の研究者を訪れて
小川 鼎三
1
1東大解剖
pp.157-163
発行日 1955年5月20日
Published Date 1955/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200447
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1954年5月31日から6月5日までロンドンで開かれた国際解剖学用語委員会に日本代表として出席,1週間の討議を終えて後は急に肩の荷物も軽くなつた思いで,3カ月にわたつて欧洲の各地をみてまわつた。解剖学の授業を彼らがいかに実施しているか,脳と神経の研究がいか様に行われているかを知ることが主な目的で,加えて医育一般のことや,現在の解剖学の動向をみること,更に医史学の古跡をさぐり,鯨の骨も博物館などでなるべく沢山みるという慾ばつた旅行であつた。ちようど夏休みであつたため,私が会いたいと思った学者のかなり多くの人が不在であつたのは,予期したとおりと云いながら残念であつた。最後に9月13日から同じく20日まで,ローマおよびサレルノで開かれた第14回国際医史学大会にでて江戸時代における日本の解剖学の発達について一席のべて,かえつて来た。
こゝでは欧洲の神経学のどういう研究者に会つたか,その主な人々の近況を記して,お知らせしたいとおもう。
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