紹介
分裂病の組織病理學
猪瀨 正
1
1横浜医大神経科
pp.240-244
発行日 1954年7月1日
Published Date 1954/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200412
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まえおき
1952年9月初旬ローマで開催された国際神経病理学会では5つのテーマが取り上げられて,それぞれのエキスパート4,5名ずつが報告者として選ばれて,更にその講演に対して所定の討論者が立つて論議を斗はすという方法で運ばれた。
私の手許にその内容抄録を收めたプログラムがあるので,分裂病についてどの様なことが,どの程度に論議されたかを紹介してみようと思う。本学会の内容の報告は別の機会に然るべきところに於いて詳しく行われるであろうから,こゝではわれわれの日常関心事中の最大のもの—分裂病—に限ることにする。原文はすべて仏蘭西語であるから,余り染みのない筆者の訳文には誤りがあることであろうが,その内容の概要をお伝えすべく敢えて筆をとつた。また本来なら分裂病の組織病理学的研究について,今日までの内外の業績をこゝに述べてから,その予備知識を以て抄録をよむことが順序であろうが,本文の末尾に筆者の簡単な感想を附して参考に供するに止めよう。
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