Japanese
English
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腦嚢尾虫症の剖檢例
One case of Cerebral Cysticercosis
久山 照息
1
Kuyama Teruoki
1
1京都大學醫學部精神々經學教室
1Medical Dept. Kyoto Univ.
pp.147-150
発行日 1951年5月1日
Published Date 1951/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200188
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腦?尾虫症は有鈎條虫の幼虫が人間の腦髓に寄生して生ずる器質性腦疾患である。腦以外の外の部位(皮膚,筋肉等)にも寄生するが著しい臨床症状を示すのは腦に寄生した場合である。1558年Rumlerが癲癇患者の腦に本嚢虫を發見して以來Panarolus (1650) Wharton (1679)の報告,次でGriesingerの86例の調査に依りて此れが重篤な腦疾患である事が注目せられ,Sato, Oppenheim, Goldstien, Krause, Sallinger-Kallmann Henneberg等によりて症候學及病理解剖學が精細にされた。我國に於ける報告は食生活の關係から殆んど,滿洲,中國,朝鮮,佛印等に居住した既往歴を有する者に發生したもので,それも主に皮膚病科關係に限られ,精神々經病科領域では田頭の1例をみるに過ぎない1)。余も茲に以下述べる多彩な興味ある臨床症状を來した定型的な播種性の腦嚢尾虫症を剖檢し得たので報告する。
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