「脳と神経」への手紙
肥厚性硬膜炎の臨床的検討
頼高 朝子
1
,
塚本 忠
1
,
大田 恵子
1
,
岸田 修二
1
1東京都立駒込病院神経内科
pp.453
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100493
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拝復
先般,発表させていただいた論文「肥厚性硬膜炎の臨床的検討」(脳と神経 54 : 235-240, 2002)に関して,貴重な御意見をいただき,ありがとうございました。
御指摘にありました症例2は,本論文内に含めるか否か実際議論のあった症例であります。本文中には記載しませんでしたが,症例2の頭痛は多少なりとも臥床により改善しており,抗核抗体などに異常がなければ,低髄液圧症候群と単純に診断していた症例と思われます。これまで報告のあった低髄液圧症候群には外傷歴や,髄液瘻が明らかな例が多くを占め,他に膠原線維の脆弱性を持つMarfan症候群などがみられます1)。これら以外に,原因不明の例も存在するかと思われますが,それらについてこのような自己免疫疾患の存在を示唆するような検査異常について記載のある報告はみられません。一方,治療においてはステロイドが効果を示す報告があり2),低髄液圧症候群の疾患群の中で自己免疫異常がどのような位置を占めてくるかは,今後,症例の積み重ねが必要と思われます。
かしこ
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