学会レポート
第12回ヨーロッパ神経学会(ENS*)参加記
長谷川 修
1
1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター安全管理室
pp.182-183
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100451
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2002年のヨーロッパ神経学会(European Neurological Society:ENS)のミーティングは,ドイツの首都ベルリンの国際会議場(ICC)で,6月22日(土)から26日(水)の日程で行われた。参加者は約3,000人。例年のごとく土・日には初心者向けの症例検討と教育コース,月~水に一般口演・ポスター,シンポジウムなどが行われるスケジュールであった。
症例検討はdiscussions with expertsと題して,半日のスケジュールで6分野に分かれ,若手が症例呈示して専門家とともに討論する場となっている。教育コースには,末梢神経疾患,多発性硬化症など16コースが用意され,1つのテーマにつき半日~1日かけて勉強するスタイルである。若手医師にとって,各国の専門家から直接指導を受ける良い機会となっている。日本では,老年人口が増えるとともに,「脳や神経の病気をもつ患者」を診れる医師の需要が益々高くなっている。その割に若手神経医の増加が頭打ちになっている現状を顧みると,一流の専門家と直接接触し,議論できるこのような場の設置が望まれる。講座制の影響が強く残る日本では,大学を越えて自由に勉強するチャンスが少なく,もっと開かれたシステムが必要であろう。
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