学会レポート
第11回ヨーロッパ神経学会(ENS)に参加して
長谷川 修
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1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター安全管理室
pp.890-891
発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901840
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日本の属するアジア・オセアニア神経学会の他に,アメリカ大陸およびヨーロッパ大陸に神経学会がある。ヨーロッパ神経学会には,日本からも何人かの参加者があり,ご存知の方もおられると思うが,とくに若手研究者のために学会の概要を紹介しておきたい。
今年のヨーロッパ神経学会(ENS meeting)は,2001年4月21日(土)〜25日(水)にパリのPalais des Con-grèsで行われた.この会議場は,凱旋門の西1kmのパリ西北端にあり,Porte Maillotという地下鉄駅に続いているため,極めて便利である。学会のプログラムは,土日は若手の研究者向けで,初日午前中には自由な症例提示により専門家と討論する機会(case discus-sion with experts)を設けている。初日の午後と2日目は,有料の教育講演(teaching course)が並び,一つのテーマにつき半日かけて4人程度の専門家が講義をする。テーマを列挙すると,末梢神経,神経眼科・耳科,てんかん外科,脳血管障害,錐体外路疾患,画像,臨床神経生理,重症疾患時の神経学,運動ニューロン疾患,小児期発症の成人神経疾患,神経腫瘍学,不随意運動,内科疾患に伴う神経学,筋疾患,臨床家のための神経遺伝,痛みと頭痛,といった具合である。講演後の質問時間には,各演者同士の討論もあり,優れた内容となっている。この2日間で,関心分野についてかなりまとまった勉強ができる。
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