Japanese
English
総説
脳静脈洞血栓症
Cerebral Venous Thrombosis
小西 善史
1
,
佐藤 栄志
2
,
土屋 一洋
3
,
塩川 芳昭
1
Yoshifumi Konishi
1
,
Eishi Sato
2
,
Kazuhiro Tsuchiya
3
,
Yoshiaki Shiokawa
1
1杏林大学医学部脳神経外科
2稲城市立病院脳神経外科
3杏林大学医学部放射線科
1Department of Neurosurgery, Kyorin University School of Medicine
2Department of Neurosurgery, Inagi Municipal Hospital
3Department of Radiology, Kyorin University School of Medicine
キーワード:
cerebral venous thrombosis
,
MRI
,
MRA/V
,
anticoagulant therapy
,
endovascular surgery
Keyword:
cerebral venous thrombosis
,
MRI
,
MRA/V
,
anticoagulant therapy
,
endovascular surgery
pp.470-478
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100415
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はじめに
脳静脈洞血栓症は症状が非特異的であり,近年までは剖検例の報告が多かった。しかし,MRIをはじめとする診断技術の進歩により以前に比べ低侵襲的に,また早期に診断・治療が可能となった。現在知られている脳静脈洞血栓症の疫学的知見は,剖検例で年間100万人中4~8人が発症し,死亡率はその10~20%すなわち年間100万人中0.4人と報告されているが,実態を正確に把握できていないのが現状である12)。また,剖検時に初めて診断されることもあり,Towbinは182例の連続剖検例で本疾患を9.3%に認め,2:1で女性に多いと報告している27)。比較的稀な疾患であるが,身体所見,臨床および神経症状から本疾患を疑うことが重要である。本稿では,脳静脈洞血栓症の病因,症状,診断,治療,予後につき記載する。
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