Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
眼窩吹き抜け骨折のMPR画像の有用性
Multiplanar Reconstruction(MPR)Images of Blow-out Fracture
木下 良正
1
,
春日 麗
2
,
安河内 秀興
1
,
津留 英智
1
1宗像水光会総合病院脳神経外科
2宗像水光会総合病院形成外科
pp.720-721
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100329
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
症 例 17歳,男性
主 訴 顔面打撲,複視,左肘痛
現病歴 2001年10月10日,バイクで学校から帰宅中,右から右折してきた車を避けようとして歩道に乗り上げ,転倒して受傷し,当院に救急搬入となった。
既往歴 特記事項なし。
現 症 バイタルサインに異常なく,全身擦過傷,下顎部の挫創,左眼窩部の皮下出血,右鼻出血,左肘頭骨折を認めた。神経学的には逆行性および外傷後健忘症を認め,右方視時と上方視で複視を訴えた。
画像所見 CTでは前頭蓋底骨折,左前頭葉脳挫傷および外傷性くも膜下出血を少量認めた。脳挫傷精査のために施行したMRI検査時に,MR angiography検査である3D-time of flight(TOF)法で眼窩の3次元データを得てmultiplanar reconstruction(MPR)画像を作成した。左眼窩の脂肪織が上顎洞内に落ち込み,下直筋が骨折部に嵌頓している所見が得られた(図)。
経 過 頭蓋内病変は保存的に軽快し,2001年10月18日,左尺骨骨折の固定術とともに吹き抜け骨折の整復術を行った。術後,眼球運動障害および複視は消失し,経過良好にて2001年10月27日退院となった。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.