Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
非典型的なT2強調画像所見を呈した小脳橋角部脂肪腫
The Cerebellopontine Angle Lipoma with Unusual Findings on T2-weighted Image
青木 友浩
1
,
石崎 竜司
1
,
斉木 雅章
1
,
佐藤 岳史
1
1滋賀県立成人病センター脳神経外科
pp.718-719
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100328
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症 例
症例は38歳女性。7年ほど前から右側で耳鳴を自覚していた。また,耳鳴に加え徐々に右側の聴力低下が進行していた。そのため,2004年に入り当院耳鼻科を受診し右側の感音性難聴(60dB)を指摘された。精査にて行われた頭部CTにおいて,右小脳橋角部に低吸収域(Housefield値-100)を示す径1.5cm程度の占拠性病変を認めた。画像所見より脂肪腫を疑いMRIにてさらに精査を行った。MRIにおいて,右小脳橋角部にT1強調画像にて著明な高信号域で,T2強調画像にても脳脊髄液と同程度に高信号域を示す径1.5cmの腫瘍性病変を認めた。脂肪抑制T1強調画像では,高信号域は抑制されていた。また,拡散強調画像では同病変は描出されなかった。脂肪腫としては,T2強調画像所見は非典型的であったが,脂肪抑制画像所見およびCT所見も考え併せ脂肪腫と術前診断した。その後,右後頭下開頭により腫瘍摘出術を行った。病理組織診断では,成熟した脂肪細胞からなる典型的な脂肪腫との診断であった。現在,外来通院中である。
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