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特集 第43回日本臨床眼科学会講演集(4)1989年10月 名古屋
学術展示
眼窩吹き抜け骨折手術への同種乾燥硬膜の使用
Surgery for orbital blowout fracture with freezedried human dura mater
小沢 勝子
1
,
佐貫 真木子
1
Katsuko Ozawa
1
,
Makiko Sanuki
1
1名古屋市立東市民病院眼科
pp.884-885
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908190
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- Abstract 文献概要
緒言 眼窩吹き抜け骨折手術時の骨折部の補填材料としては自家骨や合成素材が使われている。自家骨は周囲組織に受け入れられ易いが骨を採取する手術が必要であり,合成素材としてはシリコン板,テフロンプレート等が使用されてきたが,異物反応や硬さ等の点からこれらを使用しないほうが手術成績がよいという報告もされている1)。しかし手術時の所見では骨折部周囲の癒着は非常に強く,陥頓組織を戻したあともそのままでは,再陥入や再癒着の起こる心配がある。今回報告する同種乾燥硬膜は異物反応が無く,薄いが強靱で機械的張力に耐えられる。また眼窩の湾曲にあわせる事が出来るし,組織欠損部の被覆に使用しても癒着しない。補填材料としてテフロンプレートを使用した症例と乾燥硬膜を使用した症例の手術結果を比較した。手術は下壁骨折ではX線写真で骨折があり,垂直方向の眼球運動障害による複視があって軽快傾向がないか増悪し,眼窩CT検査で異常を認める症例に,内壁骨折では内直筋の運動障害があり軽快傾向がないか増悪し,断層写真とCT検査で飾骨洞への眼窩脂肪等の組織脱出を認め,眼球陥凹がある症例に行った。
症例 症例は1980年から1989年8月までに手術を施行したpure typeの56例58眼。性別は男性45例,女性11例。年齢は10代後半が最も多かった。患眼は右眼22例,左眼32例,両眼2例。
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