Japanese
English
総説
糖尿病性ニューロパチーの最近の動向
Recent Trends of Diabetic Neuropathy
安田 斎
1
Hitoshi Yasuda
1
1滋賀医科大学内科
1Devision of Neurology, Department of Medicine, Shiga University of Medical Science
キーワード:
diabetic neuropathy
,
sensory/autonomic neuropathy
,
diagnostic criteria
,
guideline of therapeutic procedure
,
pathophysiology
Keyword:
diabetic neuropathy
,
sensory/autonomic neuropathy
,
diagnostic criteria
,
guideline of therapeutic procedure
,
pathophysiology
pp.373-383
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100278
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はじめに
糖尿病性神経障害(DN)は,糖尿病合併症の中で最も高頻度であり,患者QOLに大きく関与する。特に自律神経障害は突然死の原因となり,患者の生命予後に深く関与し,疼痛・しびれ感などは日常生活を制限する。一方,無症状でありながら神経障害を有する患者も少なからず存在している。さらに,日常診療で観察される糖尿病患者の神経症状は,主病型である多発神経障害(DP)のみならず,糖尿病に起因する単神経障害や,他の原因による単および多発神経障害が関与している場合があり,患者の病態把握・管理上,注意を要する。
一方,DP治療で血糖管理が最も重要であることは多くの臨床研究により明らかにされ,血糖管理に対する認識が向上したことは,血糖降下薬の選択肢が増えたことと相俟って,血糖管理を飛躍的に向上させた。しかし,合併症を予防しうる程度に完璧なコントロールを得ることは通常むつかしく,DNに対する本質的な薬物療法を併用せざるをえないのが現実である。この際,多くの薬物の臨床的効果が検証されてきたが,わが国で臨床応用が現実となっているのはアルドース還元酵素阻害薬(ARI)のみである。他方,患者管理の面からは対症療法が重要である。
このような現状を踏まえて,本稿ではDNの全貌につき最近の動向について概説したい。
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