Japanese
English
脳・脊髄のMRI画像アトラス
Corpus Callosum Lipoma
Corpus Callosum Lipoma
太田 浩嗣
1
,
横田 晃
2
1筑豊労災病院脳神経外科
2産業医科大学脳神経外科
pp.258-259
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100262
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
症 例 55歳,男性
2003年6月頃より回転性めまいと頭痛が続き,CTで,脳梁膨大部に接するように極めて低い低吸収域を指摘され,8月22日当科紹介となった。神経学的には異常はなく,MRIで脳梁膨大部上方から後下方に接してT1強調画像で強い高信号,T2強調画像で等~高信号を呈した境界明瞭な病変を認めたが,造影剤による増強はなく,mass effectもなかった(図)。Corpus callosum lipomaと診断し,無症状のため経過観察とした。
コメント
頭蓋内脂肪腫は脳腫瘍の約0.2%にみられる稀な腫瘍で,脳軟膜に固有な間葉組織の異常な分化増殖が原因であり,かつては増殖し現在は静止した終末像の組織奇形と考えられている3)。脳軟膜,くも膜腔と脈絡叢のあるところにはどこにでも発生し得るが,特に正中線上に発生することが多く,脳梁部,灰白隆起,四丘体部,迂回槽や視交叉槽などに好発する3, 4)。脳腫瘍統計では,やや若年男性に多いものの,全年齢層に分布している3)。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.