Japanese
English
特集 心・血管疾患と脳卒中
4.心原性脳塞栓症の1次予防・2次予防
Primary and Secondary Prevention of Cardiogenic Cerebral Embolism
堀 正二
1
Masatsugu Hori
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Osaka University, Graduate School of Medicine
キーワード:
cerebral embolism
,
atrial fibrillation
,
anticoagulant therapy
Keyword:
cerebral embolism
,
atrial fibrillation
,
anticoagulant therapy
pp.843-848
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100218
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
脳塞栓に占める心原性脳塞栓症の割合は,近年増加傾向がみられ,脳梗塞の25~30%を占める。久山町研究でも,第1集団(1961~1969年)に比し,第3集団(1988~1996年)では,心原性脳塞栓症は約3倍に増加している。これは,高血圧の管理が普及することによるラクナ梗塞の減少と,人口構成の高齢化による心房細動患者の増加によるものと考えられ,欧米型に近づいているといえよう。JSSRS(Japan Standard Stroke Registry Study) データによれば,心原性脳塞栓症の71.5%に心房細動がみられるが1),見逃されている発作性心房細動も少なくないと考えられるので,心房細動の関与は大きいといって過言ではない。心房細動は器質的心疾患がなくても脳塞栓症の合併症が増加するため,その予防対策は極めて重要である。本稿では,その1次予防,2次予防について概説する。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.