Japanese
English
特集 悪性脳腫瘍に対する最近の治療
1.悪性グリオーマ
Treatment for Malignant Glioma
渋井 壮一郎
1
Soichiro Shibui
1
1国立がんセンター中央病院脳神経外科
1Neurosurgery Division, National Cancer Center Hospital
キーワード:
malignant glioma
,
chemotherapy
,
clinical trial
,
JCOG
,
tailor-made therapy
Keyword:
malignant glioma
,
chemotherapy
,
clinical trial
,
JCOG
,
tailor-made therapy
pp.1027-1033
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100103
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はじめに
悪性グリオーマをはじめとする各種悪性脳腫瘍は,化学療法が奏効しない疾患として扱われており,その原因として,血液脳関門や薬剤耐性機構の存在などが指摘されている。これに対し多剤併用療法,骨髄移植あるいは幹細胞移植を併用した大量化学療法,血液脳関門破綻を応用した化学療法などが試みられてきたが,従来までの治療成績と比較して必ずしも良好な結果は得られてはいないのが現状である。しかし,2002年に発表されたメタアナリシスの結果,nitrosourea系化学療法剤を併用した放射線治療が,使用しない群に比べ統計的に有意な生存期間の延長がみられたとされ,さらに,大規模な臨床試験により有望視される薬剤の出現もあり,グリオーマに対する化学療法の重要性が再確認されてきている。本稿では,悪性グリオーマに対する治療の現状と展望について概説する。
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