「精神医学」への手紙
阪神・淡路大震災による高齢単身被災者へのグリーフワーク活動
福島 春子
1
,
安 克昌
1
1神戸大学医学部精神神経科
pp.792
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405905067
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震災で生活基盤を失った人たちへ,どういう精神的ケアを提供すればよいのだろうか。震災から4年経った現在,仮設住宅から災害復興住宅へ,被災者の転居が進みつつある。復興住宅の入居者は,高齢単身者が多い。震災後の住環境に馴染めず,地域社会で孤立感を深めている人が多い(毎日新聞,大阪夕刊,1998年12月26日)と懸念される。
Rapllael2)は災害の時間的経過を,警告期,衝撃期,ハネムーン期,幻滅期,再適応期の5段階に分類した。復興住宅入居者の課題は,「幻滅」から「再適応」に向かうことである。彼らは仮設住宅から復興住宅への転居に際して,馴染みのない近隣や,日常生活の多様な変化,行政との軋轢などのストレスに直面している。
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