巻頭言
心の医学と精神医学
中嶋 宏
1,2,3
1世界保健機関WHO
2国際医療福祉大学国際医療福祉総合研究所
3東京医科大学難治疾患治療研究所
pp.680-681
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405905052
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最近東京都衛生研究所ホームページの中に東京都[心の健康センター]ホームページを見つけました。初めにWHOの「ヘルスプロモーションに関するオタワ宣言」の一文,[健康は生きる目的ではなく,むしろ生きるための基盤であり,健康は身体的能力であると同時に,社会的個人的資源である]を引用してありました。これは,今日の精神医学が大きく変換しつつあることを示しており,今や精神医療は単なる精神障害者のための医療のみならず,リハビリテーションも含めた社会復帰と総合的な福祉へのサービスを意図しているとみられます。
このような精神医療福祉がより良い地域社会の発展に貢献していくためには,個人の精神的な悩みを治療するだけでなく,医療に携わるすべての人(専門医,医師,看護婦(士),精神保健福祉士をはじめ,すべての医療従事者)が,地域の住民参加を得ながら,地域全体の心の健康を促進していくことが重躯要です。
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