Japanese
English
研究と報告
解離性障害にみられた幻聴
Auditory Hallucination in Dissociative Disorders
柴山 雅俊
1
Masatoshi SHIBAYAMA
1
1東京大学医学部精神神経科
1Department of Neuropsychiatry University of Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
Auditory hallucination
,
Pseudohallucination
,
Dissociative disorders
,
Schizophrenia
,
Leibhaftige Bewusstheit
Keyword:
Auditory hallucination
,
Pseudohallucination
,
Dissociative disorders
,
Schizophrenia
,
Leibhaftige Bewusstheit
pp.709-716
発行日 2005年7月15日
Published Date 2005/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100839
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抄録
解離性障害43例にみられた幻聴について報告した。幻聴は88%にみられ,その内容は命令,死の促し,中傷などが多かった。また聴覚過敏,呼名幻声,音楽幻聴,要素幻聴などの症状は初期統合失調症よりも高頻度にみられ,鑑別上重要であることを指摘した。また解離性幻聴の立ち現れを内部と外部の観点から検討し,解離性幻聴では統合失調症のような内部と外部の矛盾的二重構造はみられず,自然な区別が保たれているとした。さらに幻覚体験に対する判断についても言及し,表象と知覚の融合という構造について考察した。さらに自傷行為や自殺企図を呈する患者の多くにみられる死を促す幻聴についても考察を加えた。
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