Japanese
English
短報
「Frégoliの錯覚」で発症し,その後急性増悪した精神分裂病の1男性例
A Case of Schizophrenia with “Illusion of Frégoli”
佐藤 晋爾
1
,
水上 勝義
2
,
畑中 公孝
1
,
鈴木 利人
2
,
白石 博康
2
Shinji SATO
1
,
Katsuyoshi MIZUKAMI
2
,
Kimitaka HATANAKA
1
,
Toshihito SUZUKI
2
,
Hiroyasu SHIRAISHI
2
1筑波大学附属病院精神神経科
2筑波大学臨床医学系精神医学
1Division of Psychiatry, University of Tsukuba Hospital
2Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
キーワード:
Schizophrenia
,
Illusion of Frégoli
Keyword:
Schizophrenia
,
Illusion of Frégoli
pp.1105-1107
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904861
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Frégoliの錯覚(lllusion of Frégoli,以下IF)は1927年Courbonら2)によって提唱された症候群で,「自分に関係している対象Aが,複数の対象B,C,D…に変装している」という主題で展開する人物誤認妄想の1型である。本症は,これまで本邦において20例程度しか報告されておらず,比較的希な病態と考えられている3)。
今回我々は,被愛構造をとる恋愛妄想を伴わず,「本当に愛されているか確信が持てない」ままに対象を能動的に求め,その対象が様々に変装して現れるという特異なIFを呈した精神分裂病の1例を経験した。貴重な症例と思われるので若干の考察を加えて報告する。
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