Japanese
English
研究と報告
摂食障害を合併したAsperger障害の1例
A Case of Asperger Disorder Complicated with Eating Disorder
佐藤 晋爾
1
,
水上 勝義
2
,
山口 直美
2
,
石川 正憲
3
,
大野 柾江
1
,
鈴木 利人
2
,
白石 博康
2
Shinji SATO
1
,
Katsuyoshi MIZUKAMI
2
,
Naomi YAMAGUCHI
2
,
Masanori ISHIKAWA
3
,
Masae OHNO
1
,
Toshihito SUZUKI
2
,
Hiroyasu SHIRAISHI
2
1筑波大学附属病院精神神経科
2筑波大学臨床医学系精神医学
3栗田病院
1Department of Psychiatry, University of Tsukuba Hospital
2Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
3Kurita Hospital
キーワード:
Asperger disorder
,
Eating disorder
,
Behaviour therapy
Keyword:
Asperger disorder
,
Eating disorder
,
Behaviour therapy
pp.963-968
発行日 2000年9月15日
Published Date 2000/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902286
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【抄録】 摂食障害を合併したAsperger障害の1例を報告した。患者は17歳の女性。10歳時より,強迫性障害や幻視を伴う不穏状態のため入退院を繰り返していた。16歳時,親戚の一言を契機にダイエットを試み,その後反跳性に過食が出現した。入院時,節食,過食行為,家族に対する暴力行為を認めた。入院後,行動療法,認知療法,集団療法を施行したが,体重増加が思うようにいかないことによる焦燥感と病棟内の対人関係の問題から,在宅治療に切り替えたところ状態は改善した。
本例の摂食障害の発現にはAsperger障害に特有の強迫性,対人関係の問題が関与しているものと考えられた。また,治療についても本障害の特徴に留意した対応が必要と考えられた。
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