Japanese
English
短報
頭部外傷後悪性症候群を繰り返し発症した精神分裂病の1例
A Case of Schizophrenia with Reccurent Neuroleptic Malignant Syndrome after Head Trauma
安部 秀三
1
,
馬場 淳臣
1
,
水上 勝義
2
,
酒井 敏子
1
,
白石 博康
2
Shuzo ABE
1
,
Atsuomi BABA
1
,
Katsuyoshi MIZUKAMI
2
,
Toshiko SAKAI
1
,
Hiroyasu SHIRAISHI
2
1水海道厚生病院
2筑波大学臨床医学系(精神医学)
1Mitsukaido Kosei Hospital
2Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, The University of Tsukuba
キーワード:
Recurrent neuroleptic malignant syndrome
,
Head trauma
,
Schizophrenia
Keyword:
Recurrent neuroleptic malignant syndrome
,
Head trauma
,
Schizophrenia
pp.313-316
発行日 1995年3月15日
Published Date 1995/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903844
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悪性症候群(neuroleptic malignant syndrome;以下NMS)は1960年にDelayら2)により報告されて以来,各国で多くの症例が報告されるようになった。NMSの多くが抗精神病薬投与後に発症し,その治療薬としてbromocriptineをはじめとするドーパミン作動薬が有効なことから,今日NMSの病因に脳内ドーパミン系を中心としたモノアミン代謝異常の関与が想定されている。その一方で患者個体の精神的および身体的要因がNMS発症に関与しているとも考えられているが,そのような報告例は少なくこの要因については現在もなお不明である。今回我々は頭部外傷後比較的少量の抗精神病薬投与で頻回にNMSを発症するようになった精神分裂病の1症例を経験した。脳の器質性病変とNMSとの関連性について示唆に富んだ症例と考えられるので若干の考察を加えて報告した。
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