Japanese
English
研究と報告
精神分裂病者を持つ家族の感情表出と疾病理解との関連
The Study for Relationship between Family Expressed Emotion and Knowledge about Schizophrenia
兼島 瑞枝
1
,
長崎 文江
1
,
古謝 淳
1
,
山本 和儀
1
,
仲本 晴男
1
Mizue KANESHIMA
1
,
Fumie NAGASAKI
1
,
Sunao KOJA
1
,
Kazuyoshi YAMAMOTO
1
,
Haruo NAKAMOTO
1
1琉球大学医学部精神神経科学講座
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of the Ryukyus
キーワード:
Expressed emotion
,
Family study
,
Schizophrenia
Keyword:
Expressed emotion
,
Family study
,
Schizophrenia
pp.945-949
発行日 1998年9月15日
Published Date 1998/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904610
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【抄録】精神分裂病患者と過ごす家族の感情表出(EE)と患者の再発率が関連することが指摘され,EEを用いた家族研究が行われている。筆者らは家族介入の一助とするため,精神分裂病患者の家族の感情表出と疾病理解との関連を検討した。EEの評価はFMSS(Five Minute Speech Sample)を用い,疾病理解の評価は筆者らが作成した評価尺度を用いた。評価尺度には疾患名,病因,症状,治療についての項目が含まれており,4段階で評価した。対象は慢性精神分裂病患者の家族25名であった。FMSSによる評価の結果,high EEが12名(48.0%)で,その下位分類では「批判」7名,「情緒的巻き込まれすぎ」5名であった。「批判および情緒的巻き込まれすぎ」でhigh EEと評価された者はいなかった。high EE群の家族はlow EE群と比べて疾患についての理解に乏しく,病気の原因を心理社会的要因に帰属することや家族のかかわりが重要であるという項目で肯定的な回答をした者の割合が有意に低かった。
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