Japanese
English
短報
硬膜下水腫が合併した遷延性アルコール離脱せん妄の1症例
A Case of Protracted Alcohol Withdrawal Delirium with Subdural Hygroma
山吉 佳代子
1
,
多田 幸司
1
,
鈴木 匡
1
,
笠茂 公弘
1
,
松浦 雅人
1
,
小島 卓也
1
Kayoko YAMAYOSHI
1
,
Koji TADA
1
,
Tadashi SUZUKI
1
,
Kimihiro KASAMO
1
,
Masato MATSUURA
1
,
Takuya KOJIMA
1
1日本大学医学部精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Nihon University, School of Medicine
キーワード:
Protracted alcohol withdrawal delirium
,
Subdural hygroma
,
MRI
Keyword:
Protracted alcohol withdrawal delirium
,
Subdural hygroma
,
MRI
pp.665-667
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904796
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アルコールの離脱せん妄は断酒2,3日後から起こり,多くの場合5日以内に症状が消失する。しかし,時には意識障害が遷延する場合があり,その際はWernicke脳症や肝性脳症などを疑って診断,治療を進めていかなければならない。また,アルコールの離脱せん妄では硬膜下血腫,肺炎や髄膜炎などの感染症,膵炎,肝障害などを併発することがあり,これらの合併症に注意して治療を進めていく必要がある1)。今回,我々は硬膜下水腫とアルコール離脱せん妄が合併し,48日間せん妄が持続した40歳の男性例を経験した。硬膜下水腫は外傷によってクモ膜が断裂し,髄液が硬膜下に貯溜する病態である。多くの場合頭部外傷後に生じるが,頭部外傷が軽微で本人が気づかないこともある5,7)。最近では画像診断の進歩により頭部外傷後硬膜下水腫が生じ,その後硬膜下血腫に進行する症例,水腫のまま経過する症例などが報告され注目を集めている4)。本症例の診断,治療についてこれまでの報告と比較検討した結果,若干の知見を得たので報告する。
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