Japanese
English
短報
緊張病様症状を呈し髄液所見が正常であった脳炎の1症例
A Case of Suspected Encephalitis Showing Catatonic Syndrome with Normal CSF Findings
石塚 千秋
1
,
多田 幸司
1
,
松浦 雅人
1
,
鈴木 健史
1
,
高橋 栄
1
,
小島 卓也
1
,
小野 真一
2
,
高須 俊明
2
Chiaki ISHIZUKA
1
,
Koji TADA
1
,
Masato MATSUURA
1
,
Takeshi SUZUKI
1
,
Sakae TAKAHASHI
1
,
Takuya KOJIMA
1
,
shinichi ONO
2
,
Toshiaki TAKASU
2
1日本大学医学部精神神経科
2日本大学医学部神経内科
1Department of Neuropsychiatry, Nihon University, School of Medicine
2Department of Neurology, Nihon University, School of Medicine
キーワード:
Encephalitis
,
Normal CSF findings
,
Catatonic syndrome
Keyword:
Encephalitis
,
Normal CSF findings
,
Catatonic syndrome
pp.983-985
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904176
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急性ウイルス性脳炎の診断には髄液の細胞数,種類および抗体価など髄液からの情報が極めて重要である。また,最近では脳炎の急性期にMRIにより限局した病巣が検出されるという報告も増えている1,5,6)。今回,我々は感冒様症状の後,興奮および昏迷状態を呈し,脳波検査で徐波性異常がみられたものの髄液の細胞数は正常範囲にあり,ウイルスの髄液抗体価も低く,早期診断が困難であった症例を経験した。髄液の検査所見は急性脳炎の診断に欠かせないものであるが,本症例のように髄液所見が正常な脳炎の存在を認識することはその初期診断にとって重要なことと考え,ここに報告する。
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