Japanese
English
研究と報告
病的悲嘆反応から精神科入院治療を要した老年期患者に関する検討
Clinical Features of Elderly Inpatients with Pathological Grief Reaction
石井 久敬
1
,
徳永 雄一郎
2
,
川谷 大治
3
,
西園 昌久
1
Hisanori ISHII
1
,
Yuichiro TOKUNAGA
2
,
Daiji KAWATANI
3
,
Masahisa NISHIZONO
1
1福岡大学医学部精神医学教室
2不知火病院
3川谷医院
1Department of Psychiatry, School of Medicine, Fukuoka University
2Shiranui Hospital
3Kawatani Clinic
キーワード:
Bereavement
,
Clinical features
,
Elderly patient
,
Pathological grief reaction
,
Prognostic factors
Keyword:
Bereavement
,
Clinical features
,
Elderly patient
,
Pathological grief reaction
,
Prognostic factors
pp.651-655
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904793
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【抄録】 近親死から病的悲嘆反応を来し精神科を受診した老年期患者で精神科入院治療を要した重篤な者の臨床的特徴について,入院治療を要したもの(入院群)と外来治療のみだったもの(非入院群)とで比較しながら検討した。対象は1991年4月から1995年3月までに福岡大学病院精神神経科を受診した老年期患者で,病的悲嘆反応のもの31例である。診療録の遡及的調査を行い,以下のことが明らかとなった。入院群は非入院群に比し,急死された例が多い傾向にあり,死別から病的悲嘆反応を発症するまでの期間が長い,悲嘆の遅延反応型が有意に多く,幼少期における親との死別体験のあるものが有意に多かった。これらの老年期における病的悲嘆反応の経過に影響する因子の持つ意味について考察を加えた。
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