Japanese
English
研究と報告
パニック障害患者の対処行動—転帰の予測因子
Coping as Prognostic Factors in Patients with Panic Disorder
山田 久美子
1
,
藤井 薫
1
,
穐吉 條太郎
1
,
永山 治男
1
Kumiko YAMADA
1
,
Isao FUJII
1
,
Joutarou AKIYOSHI
1
,
Haruo NAGAYAMA
1
1大分医科大学精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Oita Medical University
キーワード:
Panic disorder
,
Agoraphobia
,
Coping
,
Prognostic factors
Keyword:
Panic disorder
,
Agoraphobia
,
Coping
,
Prognostic factors
pp.607-612
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904561
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【抄録】パニック障害(PD)の慢性化や転帰の予測因子を検討するため,対処様式質問票の4項目(援助希求,奇跡願望,否認・抑制,不快気分の発散)を用いた。対象:PD 27名(空間恐怖合併は24名)で,対処行動を調査し,その時点の転帰および2年後の転帰を得た。結果:パニック発作改善群は否認・抑制の対処行動が多く,これが2年後の良好な転帰の予測因子でもあった。空間恐怖改善群は不快気分の発散の対処行動が多かったが,2年後の良好な転帰の予測因子とは同定できなかった。結論:自己治癒的な対処行動を促進する治療技法として,パニック発作には否認や抑制を強化し,空間恐怖には不快気分の解消法を検討し身につけさせるという介入が重要と考えられた。
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