動き
「第9回国際精神生理学会議」印象記
丹羽 真一
1
1福島県立医科大学医学部神経精神医学教室
pp.220-221
発行日 1999年2月15日
Published Date 1999/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904722
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第9回国際精神生理学会議(IX th World Congress of Psychophysiology)が1998年9月14〜19日にイタリアのシシリー島にあるタオルミーナという保養地で開かれ,私はその会議に出席する機会を得たので印象などをまとめ,会議の内容についてご紹介したい。国際精神生理学会議(International Congress of Psychophysiology;I. O. P.)は名前のごとく精神生理学に関する唯一の国際学会であるが,国際精神生理学会と言わず国際精神生理学会議と言うのは,この会議が各国,各地域の精神生理学に関連する学会が加盟する学会の連合体という性質の機構であるからであり,国際連合(国連)の掲げる人類の健康と福祉を達成するための機構という位置づけの国連の1組織という性格を持つからである。会議のこうした性格は会議のシンボル・マークによく表されている(図参照)。日本にも精神生理学に関連する国内学会がいくつか存在しているが,この会議に加盟しているものはない。
それでは今回の学会の内容を紹介したい。今回の学会はIOPの副会長であるイタリア精神生理学会のChiarenza教授が主催して開かれた。学会には37か国500名の登録があり,日本からは35名の登録があって,登録者数ではイタリア,米国,ドイツに次いで人数が多かった。学会は14日の開会式の後,15日より19日午前中までシンポジウム,招待講演,教育講演,一般演題からなる内容で行われた。
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