Japanese
English
短報
結核治療中にイソニアジドにより精神症状を呈した1症例
A Case of Isoniazid-induced Psychosis during Antituberculosis Therapy
高木 俊介
1
,
鈴木 克洋
2
,
下清水 博明
3
Shunsuke TAKAGI
1
,
Katsuhiro SUZUKI
2
,
Hiroaki SHITASHIMIZU
3
1京都大学医学部附属病院精神神経科
2京都大学医学部附属病院感染症科
3大津赤十字病院精神科
1Department of Psychiatry, Kyoto University Faculty of Medicine
2Department of Infectious Disease, Kyoto University Faculty of Medicine
3Department of Psychiatry, Otsu Red Cross Hospital
キーワード:
INH-psychosis
,
Isoniazid
,
Delirium
,
Antituberculosis drug
Keyword:
INH-psychosis
,
Isoniazid
,
Delirium
,
Antituberculosis drug
pp.193-195
発行日 1999年2月15日
Published Date 1999/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904716
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はじめに
リファンピシンとともに現在最も強力かつ重要な抗結核治療剤であるイソニコチン酸ヒドラジド(イソニアジド,以下INH)は,各種の精神神経症状が副作用として知られている4,9)。しかし,同じ抗結核治療剤であるサイクロセリンに比べ精神症状の発現頻度が少なく,特に常用量ではほとんどみられないことから,最近の日常臨床では注意を引くことが少なくなっている。
しかし,近年罹患率減少速度の停滞や患者の高齢化など,結核が再び問題化しており7),コンサルテーション・リエゾン精神科医療の領域で,INHの副作用としての精神症状に遭遇する機会が増えてくると思われる。また,移民・難民・貧困化などの問題によって結核罹患率が増加傾向にある欧米諸国では,近年あらためてINH精神病が注目されている。
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