Japanese
English
短報
精神病患者におけるイソニアジド投与がハロペリドール血中濃度に及ぼす影響
Effects of Isoniazid on Plasma Haloperidol Levels in Schizophrenic Patients
有賀 晶子
1
,
石塚 しげ子
1
,
城井 正憲
1
,
斉藤 幹郎
1
Akiko ARIGA
1
,
Shigeko ISHIZUKA
1
,
Masanori SHIROI
1
,
Mikiro SAITO
1
1啓心会岡田病院
1Keishin-kai Okada Hospital
キーワード:
Isoniazid
,
Schizophrenia
,
Haloperidol
,
Tuberculosis
Keyword:
Isoniazid
,
Schizophrenia
,
Haloperidol
,
Tuberculosis
pp.1335-1338
発行日 2004年12月15日
Published Date 2004/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100607
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
精神科病院で結核患者が発生した場合,周囲の二次的感染者に対して,抗結核薬の予防投与を行うか否かは,薬物相互作用などが不明のため難しい問題である。抗結核薬を予防投与する場合は,結核を発症する確率は低くなるが,薬物相互作用のため精神症状が不安定になる可能性もあり,予期せぬ副作用が出現する可能性もある。一方,抗結核薬の予防投与をしない場合は,結核の発症におびえなければならない。
当院では1999年に1名の肺結核患者の発見を端緒として,肺結核の集団感染という事態に至った。数名の発症者が出た2001年より,感染者の発症予防のため,積極的に抗結核薬イソニアジド(以下INH)の投与を行うこととした。抗結核薬リファンピシンが酵素誘導によりハロペリドール(以下HPD)の代謝速度を速め,HPDの血中濃度を低下させることは知られているが3,5),INHが向精神薬に及ぼす影響についての報告5,6)は少なく,手探りでの投与開始となった。INH投与により,統合失調症の代表的治療薬であるHPDの血中濃度が影響を受けるかどうか,精神症状,副作用などに変化がみられるかどうかについて,同一個体で経時的に,かつ,多人数のデータが得られたので報告する。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.