創刊40周年記念鼎談・21世紀への課題—精神医学の40年を振り返る(5)
向精神薬の進歩と将来
諏訪 望
1,2
,
神庭 重信
3
,
佐藤 光源
4
1北海道大学
2埼玉医科大学
3山梨医科大学精神神経医学講座
4東北大学医学部精神医学講座
pp.1030-1042
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904625
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佐藤(司会) 今年は,本誌創刊40周年を記念して,精神医学のこの40年の発展を振り返り,今後を展望する鼎談シリーズを掲載しておりますが,5回目の今回は長年にわたって日本の精神医学の発展に貢献してこられました諏訪望先生にご登場願いました。日本でいちはやくクロールプロマジンの治験を手がけられた頃のお話や,その後の向精神薬の進歩,あるいは精神医学の進歩について先生のお考えをうかがえると楽しみにしております。また,躁うつ病の薬物療法を中心に臨床精神薬理学の領域で活躍されている神庭重信先生に出席していただきました。そして編集委員会からは,最近合理的な薬物選択アルゴリズム作成に関わっておりますので,私が参加しました。
さて,精神科の薬物療法の幕開けといいますと,これは何と申しても1952年のクロールプロマジンの登場でして,精神科治療のブレークスルーになったと考えられます。そこで,クロールプロマジン登場の前後の様子を諏訪先生からおうかがいしたいと思います。フランスで,DeleyとDenikerがクロールプロマジン単独で精神科の薬物療法を行ったのが確か1952年,日本で市販されたのが1955年だと思いますが,それに先駆けて,諏訪先生が我が国で最初にお使いになったと思いますので,そのあたりのことをおうかがいしたいと思います。
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