今月の主題 消化器癌のトピックス
胃癌
早期胃癌診断の進歩と将来
竹腰 隆男
1
,
杉山 憲義
1
,
馬場 保昌
1
,
丸山 雅一
1
,
佐々木 喬敏
1
,
舟田 彰
1
,
二宮 健
1
,
成井 貴
1
,
高木 国夫
2
,
大橋 一郎
2
,
中村 恭一
3
,
加藤 洋
3
,
秡川 正嗣
3
1癌研付属病院内科
2癌研付属病院外科
3癌研付属病院病理
pp.175-179
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207056
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現在の早期胃癌診断は,X線,内視鏡ならびに直視下胃生検の検査法によってなされており,各検査器具および診断技術の進歩改良によりほぼ完成したといえよう.X線診断は白壁らの胃の二重造影法により微細診断が可能となり,現在では,area単位の診断がなされるに至った.一方,内視鏡検査は1868年,Kussmaulにより試みられ,1932年,軟性胃鏡(Wolf-Schindler),1948年,Operating Gastroscope(Benedict),わが国では,1950年,盲目的胃内撮影の胃カメラが発明された.そして1958年,HirschowitzがFiberscopeを発表し,1962年,同器が輸入され,1963年,国産のFiberscopeが作られ,1964年にはアングル装置のない生検用Fiberscopeが登場し,次いで1966年,アングル付きの生検用Fiberscopeの出現をみた.以来,器械の種々改良がなされ,現在では胃全体をほぼ隈なく観察,生検し得るに至った.このような検査器具の進歩改良とともに,1962年,内視鏡学会によって発表された早期胃癌の肉眼分類が早期胃癌診断の急速な進歩発展をもたらしたのである.
そこで,筆者らは早期胃癌診断進歩をふりかえりながら,将来の問題点について触れてみたい.早期胃癌診断の年度別推移をみる上で,下記のごとく時期を区分した.
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