Japanese
English
研究と報告
遅発緊張病と考えられた1症例
A Case of Late-onset Catatonia
渡邊 伸弥
1
,
安部川 智浩
1
,
本間 裕士
1
,
鈴木 衣穂子
1
,
岩崎 俊司
1
,
松原 繁廣
1
Nobuya WATANABE
1
,
Tomohiro ABEKAWA
1
,
Hiroshi HONMA
1
,
Ihoko SUZUKI
1
,
Shunji IWASAKI
1
,
Shigehiro MATSUBARA
1
1国立十勝療養所
1Tokachi National Mental Hospital
キーワード:
Late onset schizophrenia
,
Late onset catatonia
,
Endogenous psychosis
Keyword:
Late onset schizophrenia
,
Late onset catatonia
,
Endogenous psychosis
pp.389-394
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904309
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【抄録】70歳で緊張病症状と幻聴をもって発症した1男性例を経験した。意識障害,痴呆はなく,Schneiderの一級症状を伴っていた。脳波,MRI検査,髄液,内分泌学的検査,その他の身体的検査,および心理学的検査において特に重要と思われる所見はなく,精神的・状況論的にも本例の精神症状と了解関連を有するような要因は認められなかった。これらより,本例は老年期に初発した分裂病性内因性精神病,ことにいわゆる遅発緊張病と考えられた。本例がどのような転帰をとるのか,観察期間が短いため不明であるが,抗精神病薬に対する反応は良好で,現在のところ明らかな欠陥症状は認められていない。症例の呈示と若干の文献的考察を行った。
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