Japanese
English
研究と報告
緊張病症候群を呈する遅発性精神病の1例
A Case of Late Onset Psychosis with Catatonic Syndrome
鈴木 一正
1
,
粟田 主一
1
,
加藤 直樹
1
,
佐藤 敏光
2
,
佐藤 光源
2
Kazumasa SUZUKI
1
,
Shuichi AWATA
1
,
Naoki KATO
1
,
Toshimitsu SATO
2
,
Mitsumoto SATO
2
1東北大学医学部精神医学教室
2東北大学医学部救急医学教室
1Department of Psychiatry, Tohoku University School of Medicine
2Department of Emergency Medicine, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
Catatonic syndrome
,
Late catatonia
,
Episodic catatonia
,
Continuation/maintenance electroconvulsie therapy
Keyword:
Catatonic syndrome
,
Late catatonia
,
Episodic catatonia
,
Continuation/maintenance electroconvulsie therapy
pp.745-751
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405905073
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【抄録】 当科初診時61歳の女性。初発は49歳で父の死の直後に急速に緊張病症候群を呈し入院した。薬物治療で寛解し46日後に退院した。52歳,56歳でも家族内問題の直後に緊張病症候群を呈し入院(35日間,90日間)し,薬物治療で寛解した。60歳では誘因なく緊張病症候群を呈し,61歳での当科転院後に1コースのm-ECTを施行し寛解した。その後haloperidolを投与したが,20日後に再燃した。1コースのm-ECT後に2か月間の継続ECTをlorazepam併用下に施行し,91日後に再燃した。1コースのm-ECT後に1年間の継続・維持ECTをrisperidoneを併用下に施行し,現時点(1年6か月)まで寛解を維持している。本例は遅発緊張病の完全寛解例であるとともに,挿話性緊張病の遅発例であると考えられた。遅発緊張病と呼ばれ,従来予後不良とされた一群の中には継続・維持ECTが有用である症例がある。
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