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English
短報
ドーパミン受容体作働薬pergolideが有効であった治療抵抗性うつ病の1例
A Case of Treatment-Resistant Depression Responded to Dopamine D1/D2 Agonist Pergolide
泉 剛
1
,
井上 猛
1
,
土屋 潔
1
,
傳田 健三
1
,
大森 哲郎
1
,
小山 司
1
Takeshi IZUMI
1
,
Takeshi INOUE
1
,
Kiyoshi TSUCHIYA
1
,
Kenzo DENDA
1
,
Tetsuro OHMORI
1
,
Tsukasa KOYAMA
1
1北海道大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
Dopamine agonist
,
Pergolide
,
Treatment-resistant depression
Keyword:
Dopamine agonist
,
Pergolide
,
Treatment-resistant depression
pp.868-870
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904157
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うつ病の約30%は十分量の三環系抗うつ薬に反応せず,病相が遷延する。このような治療抵抗性のうつ病に対して,薬理学的に性質の異なる抗うつ薬の併用,抗うつ薬とlithiumや甲状腺剤の併用,MAO阻害薬,モノアミン前駆物質,carbamazepine,性ホルモン剤,電気けいれん療法など,いろいろな治療法が試みられてきた6)。従来より未治療のうつ病患者の髄液で,ドーパミンの代謝産物であるhomovanillic acid(HVA)の濃度が低下していることが報告されている6)。この知見に基づいて,うつ病に対してもドーパミン作用薬の投与が試みられてきた。当教室でもこれまで治療抵抗性のうつ病に対して,bromocriptineによる治療を試み,有効であったことを報告している4,5)。今回,我々は,老年期発症の治療抵抗性うつ病に対して,ドーパミン受容体作働薬であるpergolideが有効であった症例を経験したので,経過を報告する。
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