Japanese
English
研究と報告
精神分裂病1症例の発病後にみられた事象関連電位の変化
ERP Change Observed after the Onset of Illness in a Schizophrenic Patient
沓沢 理
1
,
新山 喜嗣
1
,
藤原 龍一
1
,
佐藤 直紀
1
,
伏見 雅人
1
,
関根 篤
1
,
菱川 泰夫
1
Osamu KUTSUZAWA
1
,
Yoshitsugu NIIYAMA
1
,
FUJlWARA Ryuichi
1
,
Naoki SATOH
1
,
Masahito FUSHMI
1
,
Atsushi SEKINE
1
,
Yasuo HISHIKAWA
1
1秋田大学医学部精神科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Akita University School of Medicine
キーワード:
Event-related potential
,
P300
,
Schizophrenia
Keyword:
Event-related potential
,
P300
,
Schizophrenia
pp.1267-1271
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903783
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【抄録】 健康被験者として事象関連電位(ERP)を記録していた対象のうち,その後に精神分裂病を発病した1症例について,再びERPを記録する機会を得た。この症例において,発病前と発病後のERPの成績を比較した。その結果,各ERP成分の発病後の最も著明な変化として,P300の頂点潜時が発病前と比べて有意に延長していた。また,このような延長は抗精神病薬の服薬と無関係であった。発病前のPzでのP300潜時と反応時間との間では相関係数が0.5以上の有意な相関を示した。しかし,発病後にはこれらの間における相関の強さは著明に低下していた。今回の結果から,本症例では,精神分裂病といった病的過程のためにP300潜時が新たに延長したものと考えられた。
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