雑誌文献を検索します。書籍を検索する際には「書籍検索」を選択してください。

Seishin Igaku Volume 38, Issue 7 （July 1996）

精神医学 38巻7号（1996年7月発行）

Japanese English

研究と報告

抗精神病薬による治療歴のない精神分裂病者における事象関連電位P300異常 P300 Abnormalities of Event-Related Potentials in Neuroleptic-Naive Schizophrenics 平安良雄 ^1,2 , 大田裕一 ¹ , 小椋力 ¹ , 外間宏人 ¹ , 新垣元 ¹ , 松尾和彦 ¹ , 安里尚彦 ¹ , 平安明 ¹ Yoshio HIRAYASU ^1,2 , Hirokazu OHTA ¹ , Chikara OGURA ¹ , Hiroto HOKAMA ¹ , Hajime ARAKAKI ¹ , Kazuhiko MATSUO ¹ , Naohiko ASATO ¹ , Akira HIRAYASU ¹ ¹琉球大学医学部精神神経科学講座 ²現，ハーバード大学医学部精神科 ¹Departmen tof Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, University of the Ryukyus ²Harvard Medical School, Department of Psychiatry at Brockton VA Medical Center キーワード： Event-related potentials , P300 , Schizophrenia , Neuroleptic-naive Keyword: Event-related potentials , P300 , Schizophrenia , Neuroleptic-naive pp.733-739

発行日 1996年7月15日 Published Date 1996/7/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904132

PDF(6271KB)

有料閲覧

Abstract 文献概要
1ページ目 Look Inside

　【抄録】精神分裂病における事象関連電位（event-related potentials；ERPs）のP300異常，特にP300の低振幅はよく知られている。しかし，これまでの研究の対象者は，服薬していたり，記録時に未服薬であっても過去に抗精神病薬の服用歴のある者が含まれており，その影響は十分に考えられる。本研究では，性・年齢を対応させた過去に全く抗精神病薬による薬物療法を受けたことのない（neuroleptic-naive）精神分裂病者20人，過去に治療歴のある精神分裂病者（neuroleptic-experienced）20人，健常対照者20人のERPsを記録しそのP300成分について検討した。その結果，P 300振幅は精神分裂病において薬物療法の既往の有無にかかわらず，健常者と比較して小さかったがneuroleptic-naiveであるかどうかに関して特別な所見は見いだせなかった。P300潜時は3群間で差はなかった。