Japanese
English
研究と報告
分裂病患者の音声認知過程—事象関連電位(P300)による検討
P300 Component of Event-related Potentials during the Perception of Human Voice in Schizophrenic Patients
岩波 明
1
,
中村 道彦
2
,
山本 卓二
3
,
西原 京子
3
,
松岡 俊樹
4
,
加藤 伸勝
1
Akira Iwanami
1
,
Michihiko Nakamura
2
,
Takuji Yamamoto
3
,
Kyoko Nishihara
3
,
Toshiki Matsuoka
4
,
Nobukatsu Kato
1
1東京都立松沢病院
2京都府立医科大精神医学教室
3東京都精神医学総合研究所
4長浜病院
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Kyoto Prefectural University of Medicine
3Psychiatric Research Institute of Tokyo
4Nagahama Hospital
キーワード:
Voice
,
ERP
,
P300
,
Schizophrenia
,
Wernicke's area
Keyword:
Voice
,
ERP
,
P300
,
Schizophrenia
,
Wernicke's area
pp.977-984
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903115
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】 分裂病における音声の認知過程を検討するため,精神症状の安定した分裂病患者11例を対象に純音刺激と純音を模した音声刺激に対する事象関連電位を記録した。この結果健常者に比べ分裂病患者において反応時間の遅延がみられたが,課題遂行成績に差はみられなかった。健常者では音声刺激に対して後期陽性成分の増大がみられたが,分裂病患者では純音刺激において高振幅であった。両群の比較では純音刺激で差は小さかったが,音声刺激では分裂病患者の後期陽性成分は有意に低振幅だった。以上の結果から,分裂病患者においては音声認知過程において言語的記憶の利用の障害がみられることが推測された。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.