Japanese
English
研究と報告
バイオフィードバックおよび森田療法的アプローチが有効であった多汗症の1例
A Case of Hyperhidrosis which is Treatable by Biofeedback and a Psychotherapy based on Morita Therapy
松永 勉
1
,
大原 浩市
1
,
宮里 勝政
1
,
大原 健士郎
1
Tsutomu MATSUNAGA
1
,
Koichi OHARA
1
,
Katsumasa MIYASATO
1
,
Kenshiro OHARA
1
1浜松医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Hyperhidrosis
,
Biofeedback
,
Morita therapy
Keyword:
Hyperhidrosis
,
Biofeedback
,
Morita therapy
pp.955-961
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903729
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【抄録】 28歳の男性の多汗症患者に対し,皮膚電気抵抗およびα波によるバイオフィードバック(以下BF)療法に外来森田療法的精神療法を加えて施行し,良好な治療成績を得た。皮膚電気抵抗によるBF療法によって自発性皮膚抵抗反射の頻度が減少し皮膚基抵抗値が増加したことが,発汗量の減少をもたらしたと考えられた。またα波の出現頻度と振幅を増加させる訓練は,高まった自律神経系の活動性を正常化させ,発汗を抑制する効果をもたらしたと推測された。本症例においては前頭葉—脳幹網様体—視床下部—自律神経系が多汗症の発病に関与していたと考えられた。本症例はその病理発生において森田療法理論の発病メカニズムが妥当性を有したために,森田療法的アプローチの併用が有効であったともいえるが,森田療法は本来,人間存在の自然な在り方を志向するものであり,様々な治療法に併用して用いることが可能であると考えられた。
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