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資料
古代の日本人の自殺について―『日本書紀』の自殺記事による検討
On Suicide of Ancient Japanese
鈴木 英鷹
1
,
野村 和樹
1
Hideo SUZUKI
1
,
Kazuki NOMURA
1
1大阪河﨑リハビリテーション大学リハビリテーション学部
1Osaka Kawasaki Rehabilitation University, Kaizuka, Japan
キーワード:
Suicide
,
Ancient times
,
Medical history
Keyword:
Suicide
,
Ancient times
,
Medical history
pp.191-196
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101795
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はじめに
わが国の年間自殺者数は,1998年以来3万人を超える水準が続くという深刻な事態が続いている。このような現状を背景に,2006年には自殺対策基本法が公布,施行され,自殺予防は社会全体で取り組むべき課題であると宣言された。2008年のWHO(世界保健機関)の資料において,日本はベラルーシ,リトアニア,ロシア,ハンガリーなどに次ぐ世界第6位の自殺率の高さである。このように,国内の混乱が続く体制移行国に次いで高い自殺率ということから,日本の自殺率は異常な値であるといわざるを得ない。この理由については,精神医学的見地,社会学的見地,文化人類学的見地などから検討がなされていることは周知のごとくである。本論文では,古代の自殺の特徴を明らかにするとともに,昨今の日本人の自殺率の高さは,古代より日本人の持っていた生死に関するなんらかの価値観が一因であると考え,古代の自殺事例を通して,その価値観を探ることとした。
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